こんにちは!NEUTRALのShoeiです。
私たち夫婦は、2021年9月より、東欧コーカサス地方のジョージアという国に移住しました。
以前のブログでも書きましたが、ジョージアは近年「ノマドの聖地」と言われる程、ノマドワーカーに注目されています。
主な理由としては、
- 物価・家賃が安い
- ビザ無しで1年間住むことができる
- 起業して収入を得ることができる
- 税金が安い
- 料理が美味しい
- 温泉がある
- 治安が東京並みに良い
ということが挙げられます。
ジョージアの国自体の魅力に加えて、税制度やビジネス環境が整っているという点が最大の理由ではないでしょうか。
ということで、今回は、ジョージアへ移住する方法や条件、移住後に事業登録をする方法を解説していきます。
観光ビザで365日間滞在可能
先ほど、ジョージアが注目されている理由の一つに「ビザ無しで1年間住むことができる」という点を挙げました。
どんな国でも長期滞在するためには、まずビザ(滞在許可)が必要になってきます。
例えば、
- 現地の企業に就職する場合の「就労ビザ」
- 現地の学校に通う場合の「学生ビザ」
- 現地の不動産や企業に投資する「投資家ビザ」
- ワーキングホリデー制度を利用した「ワーキングホリデービザ」
など、ビザにはさまざまな種類があります。
私たちが以前住んでいたオランダでは、個人事業主(フリーランス)ビザを取得することにより2年間住むことができました。
このように、特定の目的に応じたビザを取得するのが一般的な移住方法だと思いますが、ジョージアは、観光ビザで「365日」という世界最長の滞在期間が認められている珍しい国です。
観光ビザは、日本人であればジョージア入国の際に、特に何も申請することなくパスポートに観光ビザのスタンプを押してもらえるので、「ビザ無し」というのは、正確には「観光ビザ」を取得するという意味になります。
これで1年間も滞在が認められてしまうという太っ腹な国です。
さらに、1年間の滞在期間が終了するまでに、1度ジョージア国外へ出てまた戻ってくると、今までの滞在期間がリセットされ、そこからまた1年間の滞在許可がもらえるので、観光ビザで半永久的に住むことも可能です。
ジョージアは物価・家賃が安い?!
ジョージアでは観光ビザで入国した場合でも、月極のアパートを契約することが可能です。
家賃の相場は、私たちが住むジョージアの首都トビリシで、1LDK・70平米の物件で400米ドル(約5.3万円)程度です。
物件は、MyHome.geやSS.geなどの物件紹介サイトで探すことができます。
物価については、野菜やフルーツなどのジョージア国内で生産されている食材は、日本より圧倒的に安く、例えば、
- ジャガイモ1kg:1ラリ(約50円)
- キュウリ1kg:2ラリ(約100円)
- リンゴ1kg:2ラリ(約100円)
- チェリー1kg:3.5ラリ(約170円)
といった感じです。
電気代やガス代、水道代、インターネット代などインフラに関しても日本の7〜5割程度で済みます。
ただし、外食やデリバリーなどは、日本とそれほど変わらない程度で、シャンプーや歯磨き粉などの日用品、薬局・ドラッグストアの市販薬、パソコンや洗濯機などの電化製品など、輸入品は日本と同じくらいかそれ以上です。
また、直近の世界的なインフレの影響もあり、私たちが移住してきた2021年9月から比べても物価と家賃の相場は1〜2割高くなってきている印象があります。(私たちの場合は、家賃を1年契約したので今のところ変わっていません。)
さらにジョージア通貨のラリは、私たちが移住してきた2021年9月から現在までに、対円でなんと40%以上も高くなっています。(1ラリ=35円→50円)
ということで、数年前までは「一人暮らしなら月5万円で住むことができる国!」という謳い文句がネット上に溢れていましたが、現在は月5万円で暮らすのはさすがに厳しいのでは?と思わざるを得ません。
これくらいの生活費であれば、私たちの地元名古屋や東京・大阪などの大都市を除き、日本の地方都市と変わらないか、むしろジョージアの方が高いという声も聞きます。
ということで、ジョージアの物価が安いと感じるか高いと感じるかは個人差はあると思いますが、「税金が安い」という点について、これから解説いたします。
観光ビザでも簡単に事業登録できる!
さて、ジョージアに長期滞在するにあたり、現地で収入を得られるかどうかという点も重要な要素です。
世界の一般的な国では、観光ビザで入国した場合、現地で働くことはできません。
しかし、ジョージアでは観光ビザであっても、現地で事業登録をして働くことが認められています。
事業登録は、「Public Service Hall」という公共サービスを行う政府機関で行います。
申請に必要なものは、パスポートと、賃貸契約書(住所を証明するため)の2点のみ。
手順はとても簡単で、
- 受付でビジネス登録したい旨を伝えると、番号札を発行してもらえるので、番号が呼ばれるまで待ちます。(私が移住した2021年9月の時点では、事前にオンライン予約が必要でしたが、2022年8月現在、事前予約は不要となっています。)
- 自分の順番が来たら、窓口へ行き、ビジネス登録したいと伝えると、スタッフがその場で申請書を書いてくれます。(自分で書く必要はありません。)
- 必要書類を渡し、コピーを取られます。
- 事業の形態を聞かれます。私の場合は、「Entrepreneur (個人事業主)」で申請しました。
- 申請書にサインして完了。(黒ではなく、青ボールペンでサインすることをおすすめします。理由は長くなってしまうので、Instagramの投稿をご覧ください。)
最後に以下の通り申請料を支払い、2〜3日後にはメールで事業登録が完了した旨の書類が届きました。
- 申請料20ラリ(約1,000円 / 即日発行を希望する場合は50ラリ)
- 翻訳料20ラリ(約1,000円 / 原本はジョージア語なので英訳版の添付を希望する場合のみ)
- 手数料5ラリ(約250円)
即日発行を希望しなくても、申請に掛かる時間は1時間程度、その後2〜3日間待つだけですぐに事業を始めることができてしまいます。
2018年の調査ですが、世界の「ビジネスのしやすさ」ランキングで、190ヶ国中ジョージアはなんと第6位という結果も頷けますね。
参考記事:ビジネス環境格付けでジョージアが上位、ロシアは改善も目標到達せず
所得税は売上の1%
さて、ジョージアでの事業登録が済み、合法的に働くことができるようになると、もちろん税金を支払う必要があります。
日本とジョージアは、租税条約という条約を結んでいて、ジョージアに年間183日以上(1年の半分以上)滞在すると、ジョージアが居住国として見なされ、ジョージアに税金を納める義務が発生する代わりに、日本での納税は不要となります。
また、ジョージアの税制度には「ステータス」という概念があり、例えば、「Small Business」というステータスを登録すると、所得税が売上の1%で済んでしまいます。
このステータスは、「Revenue Service (税務署)」のWebサイトで登録できます。(手数料20ラリ)
スモールビジネスと言っても、売上の上限は500,000ラリ(約2,400万円)なので、個人事業主にとっては十分すぎる金額だと思います。
ただ、これはあくまでも「売上」に対して1%なので、経費が多く掛かる事業には向いていない場合もあるので注意が必要です。
また、仮にスモールビジネスの上限を超えてしまった場合でも、税率は最大15%になるので、いわゆるタックスヘイブンということになります。
所得税の支払いは、「Revenue Service」のWebサイトで、毎月15日までに前月の売上を申告し、その後、月末までにその1%をオンラインで支払いをする、という流れです。
ここで一つ気を付けなければいけないのは、この1%の所得税にはもちろん、健康保険や年金などは含まれていないということです。
健康保険は民間の保険に加入し、年金は個人で積み立てておく必要はあるでしょう。
しかし、それを差し引いても、ノマドワーカーのような経費がほとんど掛からない事業者であれば、ジョージアへ移住するメリットは大きいと思いますし、私たちもその一人です。
もちろん、税金が安い反面、街のインフラが整っていなかったり、公共サービスの質が悪かったりと、デメリットもありますので、ジョージア移住に際しては、この辺りを総合的に見て判断する必要があると思います。
さて今回は、ジョージア移住の方法として、ビザ制度から税制度までを解説してきました。
以前私たちが住んでいたオランダでも、個人事業主ビザを申請し、事業登録を行なった経験がありますが、渡航前に日本でも事前準備をしなければならなかったり、何度も移民局へ通い、結局ビザ取得まで8ヶ月も掛かってしまいました。
さらに、オランダの税申告は複雑で、年4回のVAT(付加価値税)申告、年に1度の確定申告があり、会計士を雇っていたりもしました。
※オランダ移住方法については、こちらのブログで全6回に分けて詳しく解説しています。
それに比べると、ジョージア移住は圧倒的に簡単というか、こんなにあっさりで良いのかと思ってしまうぐらいです。
さらに詳しくリアルな情報が知りたい方は、ライフコーチングの一環として移住相談も承っておりますので、お気軽にお問合せいただければと思います。
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。
Shoei